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友部正人


友部正人メールインタビュー
何かを思いつくのを待ちながら。

  ニューアルバム「何かを思いつくのを待っている」の発売を記念して、友部正人さんにメールでのインタビューに応えていただきました。
(2004/5/13)

友部正人

何かを思いつくのを待っている

Q1 今回のアルバムをバンドの一発録りで作ろうと思った理由を教えてください。

ホールの舞台でライブ録音のように録音したかったからです。ダビングもできるよ、とエンジニアの吉野金次さんから言われましたが、コーラス以外はしませんでした。

Q2 こうした作り方は、以前にもやったことはありましたか。

バンドでははじめてです。

Q3 一発録りというレコーディングのやり方の効果を教えてください。

 後から細かい手直しはできないので、演奏がよければミスもOKという感じでやりました。結果的にリラックスしたいい演奏が録音できました。 

Q4 前作「休みの日」は、弾き語りでした(1曲を除いて)。今回バンドでの録音になったのは、新しい曲がバンド向きと考えたのですか。

 去年の1月にぼくのデビュー30周年記念コンサートを鎌倉芸術館でして、そのときのメンバーがあまりにもいいので、次はぜひこのメンバーでと思っていました。特に新しい曲がバンド向きだったということではありません。

Q5 バンドでの録音のよさはどんなところですか。
また、一人だけの弾き語りの楽しさも教えてください。

 ピアノのロケット・マツは80年代からぼくのレコーディングに参加していたしドラムスの横澤龍太郎もそうです。二人はツアーメンバーだったこともあります。武川雅寛ははちみつぱいのころからの知り合いで、レコーディングやライブに参加してもらったことがあります。今回のメンバーで録音してよかったのは、みんながぼくの歌をよく知っていたことと、とてもリラックスして演奏してくれたこと。一人でやっているときも、自分以外の音を架空で聞いたりするけど、バンドだとその架空の音を実際に聞けるからうれしい。ぼく一人では、架空の音まではとてもじゃないが表現できてはいない。

Q6 バンドのアレンジについて友部さんからイメージや注文をつけることはありますか。あるとすればどういう風なんでしょう。

 ほとんどないです。注文をつけても、そんなに重要じゃないことばかりです。

Q7 ベースが入っていないのが不思議な感じでした。ベースレスの理由は?

 去年の30周年記念のコンサートでは、ベースの代わりにチューバの関島さんが入ったのですが、その関島さんのチューバに代わるようなベースの人が思いつかなかった。かといって、今回はチューバでもないな、と思っていた。

Q8 「何かを思いつくのを待っている」。不思議なタイトルです。実際にこういう時間を過ごすことはありますか?

 このタイトルは、去年の秋にグッゲンハイム美術館で見たローゼンクィストという人の「何かを思いつくのを待ちながら描いた絵」という小品のタイトルからきている。そのタイトルが気に入って、メモしておいた。絵のタイトルにはおもしろいものが多いから、美術館に行くときはメモ帳を持っていく。ぼくの今までの歌は全部、何かを思いつくのを待ちながら書いた歌です。

Q9 作品は作ろうとして作りますか、それとも自然に言葉や曲が降りてくるのを待つのでしょうか。

 降りてくるのかわいてくるのかわかりませんが、きっかけになる言葉は無意識が多いです。その後はやはり作ろうとしなくては作れない。

Q10 横浜とニューヨークを往復するようになって、作品を作る視点みたいなものは変わりましたか。

 英語を話す人と日本語を話す人では作る音楽が違うのはしょうがないこと。日本語を話すぼくは、セントラルパークにいても「ニセブルース」のようなメロディを思い浮かべてしまう。それが日本的だとはまったく意識もしないで。

Q11 この夏のニューヨークのオススメを3つ教えてください。

 セントラルパーク、プロスペクトパーク、バッテリーパークなどで夏中開かれるフリーコンサート。6月から9月までの時期にニューヨークにいると、フリーコンサートで素敵なミュージシャンを知ることができます。去年ぼくが夢中になったのはルーファス・ウエインライトでした。

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