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04.12.08
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他人との共同作業の中で起こる化学反応を
どう消化するかというのは、とても新しいことだった。 |
異境(沖縄)への旅を記録したロードアルバム「青のつるぎ」を、2005年1月15日にリリースするpipin。
彼女は、2004年2月、ベルギー在住のイラストレーター、アジサカコウジの個展を機に沖縄を訪れて、ji
ma ma、ピッピ隊音楽部、ソーワクチンらと共演。エレクトリックギターを手に、普通の歌声とエフェクトをかけた声2本のマイクを使い分けて表現するという、独特のパフォーマンスで強烈な印を残した。 |
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それがきっかけとなり9月には沖縄でレコーディング。そしてリリース前夜の2005年1月14日から2DAY Sで、沖縄でのレコ発ライブを行う。12月2日、3日、プロモーションで単身沖縄を訪れたpipinと、国際通りのカフェで話をした。
●今回のアルバム「青のつるぎ」を沖縄でレコーディングすることになった経緯を教えてください。
「今年(2004年)2月にライブで沖縄に来て、パンチ坂元さん(ベーシスト)と出会ったのが大きいですね。東京に帰ってから誘われて、5月頃に二人でデュオのライブを演ったんです。それが良かった。坂元さんのベースは、すごく空間を大切にしてる感じがするんです。音が詰まっている感じがしないんです。私の曲の世界を包んでくれるような、心地好いバランスがあったんです。ライブの前日、リハーサルで最初に音を出した日に、気持ちよくて感動しました。
それで、この人と何か一緒に作りたいと思うようになったんです。私は心の中でそう決めていたんですけど、なかなか言い出せなかったんですよ。(笑)それが、竹中さん(美音堂・レコード会社のプロデューサー)と話をしている時に、坂元さんと作りたいという気持ちが一致してることがわかって、お願いすることになったんです。
最初は2人でミニアルバムのようなものを作ろうと思いました。東京で録音しようと思っていたんですが、せっかくなら出会った沖縄でやろうと。そこからさらに膨らんで、ほかの人にも参加してもらって録音しようということになったんです。それでフルアルバムになりました」
●不思議な印象の歌詞が多いですよね。
「私は結構人物を描くのが好きなんです。こういう子がいたら何を思うだろう、こういう髪型で、食べ物はこういうものが好きで…みたいな。私、あまり音楽を聴かないんですよ。マンガの影響が強いと思いますね。(笑)キャラクターを勝手に作っていくんです。それで、ライブの時には、その子になって歌うという」
●pipinさんのライブはすごく鬼気迫る雰囲気があるんですが、あれはそういうことだったんですね。
「私のライブをみた人に、まるで自分の身を削りながら歌っているみたいだって、よく言われるんですけど。それはパフォーマンスであって、本当は違うんですよね。実は意外と冷静なんです。気持ちを入れ過ぎると作品の輪郭を見えにくくしてしまうと思うんです」
●歌詞に経験が反映されることはありませんか。
「自分の感情が核になっていることが多いですから無意識にはあると思います。でも、こういう出来事があって、それを反映させて詩を作るというのは好きじゃないですね」
●東京と沖縄に離れていたわけですが、アレンジはレコーディングに入る段階で固まっていたんですか。
「何となくは決まってました。連絡はちょこちょことってましたから。沖縄に来てリハーサルが始まった時に感じたのは、みんなものすごく柔軟性のあるミュージシャンだなぁということです。計画したことはやるうちに変わっていくものですが、みんなうまく合わせてくれましたし、私自身も変わることを受け入れられました。
自分の中から湧き出たものだけで作ることは、同質なものを組み合わせることだと思うんです。でも、ほかの人と作ることは、自分自身が異質なものと起こす化学反応みたいなものがありますから。それを自分の中でどう消化するかというのは、とても新しいことですよね」
●レコーディングの様子を教えてください。
「リハーサルに2日間、レコーディングにミックスを含めて5日間かけました。この間はまるで合宿でしたね。朝から次の日の明け方まで作業をして、ラブホテルを改装したウィークリーマンションに雑魚寝して(注/スタジオは沖縄のラブホテル街として有名な屋宜原のすぐそばだった)、A&Wのハンバーガーを食べて。(笑)
その時はもう音のことしか見えてないし考えていないんですよ。何もかまわなくなって、半ばからは化粧もせずに寝巻きのままでスタジオに通ってました。(笑)それだけ集中していたんでしょうね。私は自分の作品だから当然のことだと思うんですけど、ほかのメンバーも私と同じぐらい集中してくれて感動しました」
●エフェクトが多くかかった前作とは随分印象が変わりました。かなり生音を活かした作りですよね。
「そうですね。前作は音響処理をしているんですけど、そうしたエフェクティブなものが作りたかったわけではないんです。自分の中ではエフェクトそのものは重要ではなくて、結果としてエフェクトがかかっていても生音っぽくてもいいという感じなんですよ。前作をリリースした後に、『音響的な処理をし過ぎ』とか言われたんですけど、それは特に重要なことではなかったんです。だから、今回の音が生音っぽくなったこともあまり重要ではないんです。
今まで私はすごく内に向かって一人で作って自己完結してしまうことが多かったんです。でも、今回はいろいろな人に参加してもらって、まずはその持ち味を出して欲しかったんです。みんなが出したそのままの音の状態でパッケージにしたかった。だから音質はリアルに出ていると思いますよ。そしてその音に自分がどういう風に反応するかということにも興味がありました。出された音に思うままにのせて歌うことは、私にとってものすごく新しかったですね」
●結果として沖縄でレコーディングしたことはpipinさんにとってどうだったんでしょうか。
「私はこれまでものすごく閉鎖的なものづくりをしていたんですね。それが今回は沖縄で新しい人と出会って、作品自体も大きく変化しましたからね。自分の変化がそのままアルバムに記録された感じですね。これから音楽を作っていく上で、とても大切な一枚になると思います」
<プロフィール>
福岡県出身。杉香璃によるソロ・ユニット。15歳の時にうたい始め、同時に福岡の名門ライブハウス“照和”のレギュラーに。以後2年間、毎週ライブをこなす。
pipinという名前は、福岡の名物イベント「はいこれ」ノオーガナイザーにして、ノントロッポ率いるボギー氏による命名。しかし由来は不明。その後、福岡の秘蔵っ子として、蝉、倉知久美夫、ロレッタセコハン、ノントロッポ等の福岡を代表する強者と数々共演。
すさまじい殺気と倦怠感に身を包ませたパフォーマンスで熱狂的な支持を得ると同時に受けいれられないという人間も多数生み出す。紆余曲折あり一時活動を休止するも昨年、より自身の歌、声、楽曲に焦点をしぼったシンプルなスタイルで積極的にライブ活動を再開。
独自の歌声と卓越したメロディーでもの語るうた世界は若干23歳にしてすでに唯一無二の世界を確立。2003年、ミニアルバム「今、ここ」リリース以降、各地で精力的にライブを展開。2004年春には活動拠点を東京に。2005年1月待望のフルアルバム「青のつるぎ」をリリース。場の空気を確実に包み込む儚くも美しいエモーショナルな歌声はさらなる存在感を増している。 |
関連サイト/美音堂 http://www.beyondo.net/
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