テレビCMで流れた喜納昌吉の「花」でソロシンガーとしてクローズアップされたおおたか静流。
11月に行なわれた日本デザイン文化会議のステージで、沖縄で初めてその歌声を聴かせてくれた。様々に表情を変える瑞々しい歌声は、晩秋の沖縄の空に心地よく溶けていくようだった。
ライブの翌日話をきくことができた。
●「花」が出たのは、おおたかさんのキャリアの中では、随分後の方なんですね。
「ええ。もう、ず〜っと後です。車のCMでスタートして、その後はバックコーラスや仮歌とか、色んな仕事をやってました。沢山の歌のバリエーションで、仕事しながら勉強できたので、すごくラッキーでしたね。CDは“ファイナルファンタジー”のゲーム音楽とか、テレビのドキュメンタリー番組のテーマとかではありましたけど、それはソロシンガーと言うより、スタジオボーカリストというスタンスでした」
●「花」という曲で大きく出られたんですが、ああいう形でクローズアップされるとは思ってなかったんじゃないですか。
「そうですね。タイアップじゃない普通のCMの曲で評判になることってあんまりないんです。その時はタイアップじゃなかったんですけど、リアクションがすごくて、問合せも多かったので、CDにすることになったんです」
「花」に至る音楽キャリア。「花」に至る音楽キャリア。
●すごくイメージの膨らむ歌詞を書かれますよね。
「私はフォークの人みたいにすごい詩は書けないんです。詩で完成されると歌にする意味がないような気がするんです。もちろんリーディング用の詩は書きますが、そうじゃない歌にする詩というのは、言葉の役割は半分で、あとは声の役割にゆだねたい感じなんです。だから多くを語らない言葉が好きなんです」
●割りと隙間がある感じですよね。
「ハイ。自分が歌うことに関して言えば、そうしないと歌いにくいって言うか…」
●それは、自分が書いた歌詞でも?
「はい。じゃないと、歌う意味がないっていうのかな。歌い手として、詩に近づく努力というのがあると思うんです。だから余白がある方がいいと思う。狭くなればなるほど、色んな人がそこに参加できると思うんです。いっぱいいっぱいに出来ちゃうと、
リスナーも入り込めないと思うし」
●昨日は、アカペラで歌ってらっしゃいましたね。
「アカペラは一番余白を残していて、歌い止めることもできるんです。昨日はハプニングで途中に時報の音楽が入ったんですけど。(笑)あんなこともありますし、お客さんが手拍子しないかもしれないし歌ってくれないかもしれない。まず自分が突き抜
けなければ、ダメというか。そういう意味では一番さらされる場がアカペラなんです。
最初は目が点になる状態だったんですけど、今は少しずつそれがほどけて、チャレンジできる感じになってますね」
●新しいアルバム「I remenber You」について教えて下さい。
「キャリアのあるジャズシンガーで難病の友人がいたんです。その人に捧げるアルバムです。私がモロッコに行ってる間に亡くなったんです。再会が果たせなかったのが、すごく辛くて。タイトル曲の
“I remenber You”は、彼女のために書きました。このCDはライブ会場だけで販売しています。すべて自分でやりたかったので、事務所はノータッチなんです。自分の魂の歌みたいなものなので、売れる売れないじゃなく、遭遇した人に買ってもらいたいという願いがあるんです」
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