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大島保克 2002/09

八重山、アイルランド。
二つの島は結ぶ
ゆるやかな「島時間」。

武川雅寛(バイオリン・トランペット)、笹子重治(ギター)、三沢泉(パーカッション)といった腕利きミュージシャンとともに5月〜7月にかけて沖縄、大阪、名古屋、東京で行なわれたアルバム「島時間」の発売記念ライブは、どこも大盛況。特に東京公演は早々に売り切れとなった。また8月に葉山で行なわれた恒例の海辺でのライブには、入りきれないほどの人が詰めかけた。さらに、アイルランドの人気グループ・アルタンと共演するなど大島保克の音楽は、ある種の「現象」となりつつあるようだ。
その大島の約5カ月ぶりとなる沖縄でのソロライブが決定した。十五夜のイベントで沖縄を訪れた大島に話を聞いた。


アルバム「島時間」で、
状況が一変した。

●5月の沖縄ライブの後に、大阪や東京でレコ発ライブがありました。その印象を聞かせてください。

「『島時間』を出してからのお客さんの感じが、全然変わりましたね。新しい人、若い人が増えました。草月ホールは、2、3週間前にチケットが売り切れてたみたいで、もったいないと(笑) 思いましたね。でも、東京の方は特に沖縄の音楽に対して、反応が早いですね。この前、川崎も300人ぐらい来たし、葉山の海辺のライブもすごかった」

そういうお客さんは何を求めてくるんでしょうね。

「どのお客さんも昔の島唄的な要素の強い唄を聴きたいんでしょうね。僕の場合は、オリジナルも古い民謡からの急展開がないからいいのかもしれない」(笑)

バンドでライブを重ねると、音的にもいい感じになりますよね。

「そうですね。みんないろいろ模索していて、毎回違うように演奏してるんですよ。それで僕も、あの時のあの感じがいいですって話したりするんです。何度もやってる笹子さんでも、まだ考えながらやってるところがあるらしいんですよね」

アルタンとの共演。
アイルランドに
魅かれる理由。


●大阪でアルタン(アイルランドのバンド。トラッドをベースにした音楽で人気)と一緒にやったそうですね。

「もう、これは感動しましたね」(笑)

初めてでしたか。

「一緒に演奏するのは初めてですけど、CDは聴いてました。僕の『カラ岳』と彼らの『DAILY GROWING』という曲を、一緒にやったんです。彼らは、民謡のことがわかってるんですよね。要するにアイリッシュのトラディショナルなものを知ってるから、沖縄のトラディショナルな民謡もわかるんだと思います。だから譜面なんか見ないで、その場でリハーサルをやるんです。一緒に演奏していても、民謡を知ってる人たちだなぁっていう安心感がありました。『カラ岳』なんか一緒にやりながら感動してました」(笑)

「カラ岳」はアルタンのメンバーが選んだんですか。

「そうです。この曲がすごく自分達アイリッシュの唄にも似てるし、好きだって言って」

アルタンアレンジの「カラ岳」って、どんなイメージなんですか。

「やっぱりアイリッシュの匂いがするんだけど、島の匂いもするんです。本当に民謡の良さを知ってますよね。やった後も、みんなと盛り上がったんで、またやろうって話しました。何か年末にドニゴールで大きなイベントを3日ぐらいやるらしいんですよね。旅費が安かったら行こうと思ってるんですけど。冬休みだから高いかなぁ」(笑)

大島さんはアルタンの「DAILY GROWING」を歌ったんですね。

「はい。アルタンの一番新しいアルバム(「THE BLUE IDOL」の1曲目です。アルバムでは、アルタンのマレードさんとポール・ブレイディーが一緒に歌ってんです。僕はこのポール・ブレイディーが歌っているパートを方言に訳して歌いました。この曲は僕の方からお願いしました」

方言の歌詞というのは、どういう内容なんですか。

「娘とお父さんの話が歌われていて、僕はお父さんのパートを歌ったんです。日本語訳と英語の歌詞を見ながら、こんな感じかなぁって訳しました。実際に歌っても違和感は感じなかったですよ。みんな喜んでくれたし。三線もちょっと入れて」

大島さんが、アイルランドの音楽に魅かれる理由は何なんでしょう。

「やっぱり、トラディショナルが沖縄と似ているからじゃないですかね。音楽環境とか政治的な背景とか。音楽の話をすると、すごく考え方も似てると思いますよ。特にアルタンの演奏のスタイルとか見ると、僕が武川さんや笹子さんに求めていることと一緒だなぁって思いますからね」



大島保克+笹子重治。
デュオが秘めた可能性。


●アルバムのリリースも一段落しました。これからはどんな活動をしていきますか。

「『島時間』で大分状況が変わって、色んな仕事をさせてもらえるようになったんですよね。でも『島時間』も出たばかりだし、まだ終わりという風にはしたくないんで、ゆっくりとやっていければと思いますね。あまりサイクルを早くするのは好きじゃないんで」

今回の沖縄でのライブは笹子さんとのデュオです。2人での演奏には、お互いまだ
手探りな部分もあるんですか。


「一緒にやるようになって、まだ1年半ですからね。30回以上はやってると思うんですけど。沖縄の場合、とにかく民謡が沢山あって、地域ごとに唄の違いがあって、範囲がすごく広いんで、時間はかかると思いますね。
でも、笹子さんも何かいつも変えてますよ。(笑) 今日のあの感じは変わってましたねぇって言うと、色々やってるんですよ〜って。(笑) 今、15〜16曲一緒にやれる曲があって、とりあえず一回りしたんで、これからどんな風に展開するのか楽しみですよね。沖縄の民謡の要素を笹子さんがわかってくると、すごいギターになると思いますね。今でも十分にすごいですけど。昨日もBEGINの(島袋)優が、スゴイスゴイって連発してましたけど。やっぱりギタリストから見ても、すごい人なんですよね。あれに沖縄民謡の要素が入ってくると、どうなるのかなぁって思いますね」

 

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